このアルバムを「打ち込み」と嫌う人がいるみたいですけど、だからといってこのアルバムを飛ばして次を聴く…のはちょっと待った!
フォーエバーヤングでひと区切りされた3部作から、次へ繋がるとても重要なアルバムですよ!
かなりストイックな感があるアルバムですけれど。
このアルバムに収録されている楽曲は、久々に「言いたいことを遠慮なく歌う拓郎」が炸裂してると思います。
「誕生日」「俺が愛した馬鹿」の2曲は、大きくなりすぎた吉田拓郎の看板に「どうしたらいいかなあ」と心の内を吐露しているような楽曲で、これ以降のアルバムを聴いていくのに欠かせない2曲だと思います。
打ち込みを使ったことで、「アレンジャー拓郎」の好みも実はよく出ています。自身のスピード感が特にあらわれていますよね。
そして、拓郎が自分の曲の中で一番好きだという「風になりたい」がポツンと入っている。
40手前までにやりたい事いっぱいやっちゃって、今までの自分を懐かしくかえりみながら、次はどうすっかと思いながら、作ったアルバムなんじゃないかなと思います。
だからか、とっても切ないアルバムに僕は思えます。