★キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門 1978年度 第1位
不定形な青春をヴィヴィッドに描いた青春映画の金字塔
寺山修司が、少年院の現職教官だった軒上泊の原作を自由に脚色し、少年にささげる美学を提示。監督は「やさしいにっぽん人」(71)で日本映画監督協会新人賞を受賞した東陽一。「“青春は美しい"という硬直化した青春映画のパターンを打破したい。」と少年院の日常をドキュメンタリータッチで描き、多くの若い世代の共感を得た。
【STORY】
かつて高校の野球部で三塁手だったことからサードと呼ばれている少年は、関東少年院に収監されていた。てっとり早く稼ぐために同級生とともに売春組織を作るが、あやまって客のヤクザを殺してしまったのだった。規則正しい毎日の中で、サードは護送の途中で垣間見た祭りの町“九月の町"を夢想する。サードの走る先に、果たして“九月の町"はあるのだろうか。